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いとも簡単に「論点を固定」するのが報道の悪いクセ
神奈川県平塚市で起きたエスカレーターの事故。
「また同じエレベーターで・・・」という見出しで、
印象に残った人も多いのではないでしょうか?
事故で指を切断してしまったお子さんとご家族は確かに可哀相だと思います。
でもこのニュース、私は見た瞬間(!)に違和感を抱きました。


まずは神奈川新聞の記事より、要旨を引用
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiiapr0804201/

 8日午前11時25分ごろ、平塚市のスーパー「西友平塚店」で、同市内に住む1歳4カ月の女児が、エスカレーターの移動式ステップと床の間に左手薬指を挟まれ、第1関節から先を切断するけがを負った。
 調べではエスカレーターは、1階から地下1階に向かう幅約1.3mのスロープ式下りエスカレーター。女児は、地下1階のフロアで、父親(39)が目を離したすきに、エスカレーター前付近までひとりで歩き、前のめりに転倒。移動式ステップとステップ引き込み口のある床の間のくし状になった約6ミリのすき間に指を挟んだらしい。父親がすぐに抱え上げ、近くにいた店員が通報した。女児は母親(28)と3人で買い物に訪れていたという。
 同店では昨年10月にも、同じエスカレーターの上りで、当時小学3年の男児(9)が手すりと壁、危険防止用の保護板の間に首を挟まれ一時、意識不明の重体となる事故が起きている。


いくつかのニュース番組を見ましたが、

◆同じ店で、同じエスカレーターで2回も事故が起きるのは、
教訓を活かしていないから!では・・・?
◆お子さんを持つ方には怖いニュースですよね?
さらなる安全管理の徹底を求めます!


というスタジオのコメントが大半でした。


あなぐまの疑問【1】同じエスカレーターというけれど
2つの事故は明らかに経緯が違います。
なぜ2つを並べる必要があるのでしょうか?

<去年の事故>
エスカレーターに乗っていて身を乗り出す
→保護板と手すり・壁に挟まれる
<今回の事故>
エスカレーターに駆け寄って転倒する
→ステップと引き込み口の継ぎ目に指を挟まれる

例えて言うならば
「道路で車と自転車の接触事故が起きました。
この道路では去年、反対車線でも
車と車の追突事故が起きています」という話をしたとして、
“この道路は危険ですね。管理がまずいのでは?”とか
“道路って危ないですね。お子さんを持つ親は心配です”という話になるのでしょうか?
このあたりは「必要以上に事実の因果関係を求めがち」
な報道の悪癖が影響しています。


あなぐまの疑問【2】そもそもの事故状況
去年の秋、エスカレーターの危険防止保護版や
ステップの継ぎ目などで事故に遭う、というニュースが連続しました。
「エスカレーターの整備不良」「安全呼びかけの不徹底」などを改善すべきだ
という話はその通りだと思いますが、
例えば子供がはしゃいだり、不意な動きをしたり、という状況があって
それを施設管理側が100%防ぎきれるのか?という点は甚だ疑問です。

今回の事故で言えば、
女の子は残念ながらステップと継ぎ目の間に指を挟まれたけれど
そもそも下りエスカレーターの降り口に
小さな女の子が駆け寄ってきて転倒するという状況は
「降りてきた人とぶつかる可能性」というレベルで十分危険な行為です。

両親がそばに居て、エスカレーターのほうに向かってる子供を見て、父親が駆けつけたが間に合わなかったらしい。これはもう、店の責任、と言うより、子供から目を離してしまった、両親の責任のほうが大きい、そういわざるを得んな。
(中略)自戒を込めて、この事故はやっぱり親が悪い。そう言える気がするな。

クルトンパパのいろいろ日記
http://crutonpapa.at.webry.info/200804/article_30.html


視聴者の中にはこういった感覚を抱く良識的な方も多いと思うのですが
某局のインタビュー映像では、

「2回も起きたって(今インタビュアーから)聞くと、確かに怖いですね」

という一般主婦の音声に対して

「2回も起きるのは怖いですね」

というテロップがあてられており、明らかな作為を感じました。


あなぐまの疑問【3】あれ?もしかしてこの店?

どの原稿でも
「事故が起きたのは、1階から地下1階に向かうエスカレーターで・・・
この店では昨年10月にも同じエスカレーターの上りで・・・」
と書かれています。

“もしかしてこのエスカレーターの機構や安全管理には
とんでもない欠陥が眠っているんじゃないか?”


という錯覚を抱いた人も多いのではないでしょうか?

西友のプレスリリースより
 西友初の2フロア型スーパーセンターのパイロット店舗として、2005年4月27日に「西友平塚店(神奈川県平塚市東中原)」をオープンいたします。1階は食料品、地下1階を生活用品と衣料品の売場とし、書籍売場や、ファーストフード5店が入ったフードコート(約280席)を設置、日ごろ便利にお使いいただける品揃え、サービスをご提供します。


調べてみるとやはり。

そもそも「西友平塚店には、1FとB1Fしか存在しない」のです。
(※写真を見ると駐車場には2F、3Fがありそうですが)

お客さまの大半がお店を活用し、恩恵を受けていると仮定します。
フロアに何基エスカレーターがあるかは分かりませんが、
「2フロア型」をウリにしている以上、上下の往来は激しいでしょう。

で、どんな安全管理をすれば効果があって、
かつお客さまにスムーズに買い物をしてもらえるのか?

キャスターはそこまで考えてません。記者も考えてません。
パッと現場に行って
「同じところで去年も起きている!?何てことだ!!」
という話が作りやすかったから、論点を固定しただけなのです。

このあたり、追加報道で少し修正されると良いのですが
昨今は「ここでも同じような事故があったと当局調べで判明した」
みたいなローカルの報道が追随するケースが多いので、
果たしてどうなることやら・・・。
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【2008/04/09 22:20】 | 元記者のニュース解説 | トラックバック(0) | コメント(0) 
tags:【体験談】 【ニュース】

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